鍼灸師プレーヤー 山際篤史コラム

脳内麻薬

普段でも、ダーツが狙ったところにやたら入ってる時ありませんか?
もう何も考えなくても手を振れば入るし、負ける気がしない、ダーツが楽しくてたまらない瞬間が。
覚醒、又は俗にいうゾーン。私もパーフェクトでの試合中、普段のレーティング以上の数値が出る時があります。
この時、脳から脳内麻薬(脳内モルヒネ)快楽物質が出ています。モルヒネというので危ない薬物に聞こえますが医療現場では鎮痛剤として使われます。
水泳の北島康介選手がアテネオリンピックで金メダルを獲得しインタビューで「チョー気持ちいい」と言ったのはこの状態だったといえます。覚醒した人は目を見るとわかります。目を見開き瞳孔が散大しています。いい表現ではありませんが、ぶっ飛んだ目になっていたりします。脳内麻薬はドーパミン、モルヒネの6.5倍の鎮痛作用があるβエンドルフィン、エンケファリン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど20種類以上が見つかっています。
不思議なことにモルヒネは痛みがある状態で使用しても依存症にはなりませんが痛みがない時に使用すると依存症に陥ってしまいます。ダーツが投げたくてウズウズするのは脳がもっと脳内麻薬を欲している状態といえます。
アドレナリンはストレスを感じた時に放出され、老化促進、免疫力低下作用があり、βエンドルフィンは楽しい時や気持ちいい時に放出され老化抑制、免疫力増加作用があります。つまり試合中危機感や焦りを感じた時はアドレナリンが出ている時なので力みが生まれ大外ししてしまいます。そして勝ち続けて調子がいい時はβエンドルフィンが出て快感を得てさらに覚醒しどんどん勝ち続ける状態になります。
以前から私は試合とは「弱肉強食、生きるか死ぬかの世界だ」と思っていたので楽しいはずがないと思っていました。オリンピックの選手が「楽しんで行ってきます」なんて言っているのを聞くと、すごく不謹慎な気がしていました。
しかし今回、脳内麻薬の勉強をしていくうちに、楽しいと感じることでβエンドルフィンが出て覚醒モードに入りいつも以上の力が出せると知りました。オリンピック選手はそうやって意識的にもしくは自然とβエンドルフィンを出して良い結果を残しているのではないでしょうか。
じゃあどうすると出やすくなるのか。ただ気持ちよかった時を思い出すだけでいいそうです。例えば、ハットトリックやトン80が出るイメージや試合に勝った時をイメージする癖をつけるなど。
僕は調子がいいときは妄想しています。これも自然にβエンドルフィンが出るように自然にとっていた行動という事ですね。(笑)
皆さんも妄想、お試しあれ。でもほどほどに。

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