肘と肩の治療-肘編-
2011年6月
人の 細胞の数は約60兆個といわれます。
この細胞が集まり組織から器官を形成し、一つの生命体として活動できるのです。
全身にある骨は約206個、筋肉は約650個あると言われています。
ダーツでは投げては歩き、投げては歩きの繰り返しで、ある意味全身運動ともいえますね。
今回は私がダーツプレーヤーを診ていて気になる肩と肘の治療について書こうかと思います。
肩から指先までの31個の骨、筋肉は大きく分けても41個あります。
これらを駆使してダーツを飛ばします。
肩から腕を構成する代表的な骨は肩甲骨、上腕骨、とう骨、尺骨(しゃくこつ)、手の骨です。
まず、良く痛める場所は肘です。
肘は上腕骨、とう骨、尺骨から成り、更に3つの関節がひとまとまりになっています。
主な動きは屈伸と回旋です。ダーツは軽い物ですが、投げるときは長時間にわたってこの屈伸、回旋が繰り返されるので肘にかかる負担が非常に大きくなります。更に手首の屈伸も加わるので尚痛めやすくなります。
上腕骨の肘の外側(外側上顆[がいそくじょうか])を痛める人は、投げる時にグリップで強く握る場合や手首を固めすぎる場合、テイクバックの時に力が入る場合、又スナップを利かせて投げる場合やリリースの時に肘を跳ね上げると肘の外側を痛めやすくなります。
肘の内側(内側上顆[ないそくじょうか])を痛める人は小指側に力が入る場合、腕の回旋を意識して手首をボードにしっかり向けて投げる場合に痛めやすくなります。
肘の外側の治療は主に伸筋群である上腕三頭筋、肘筋、腕とう骨筋、指伸筋(ししんきん)を緩める治療を行います。
肘の内側の治療は主に屈筋群である円回内筋(えんかいないきん)、方形回内筋(ほうけいかいないきん)、尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)を緩める治療を行います。
投げていて痛めた時はまず冷やしましょう。アイシングには様々な効果が期待できますが、今回は患部の炎症軽減を目的とします。その後にストレッチを行い、血流を促進させ筋肉を良好の状態に戻します。痛みに耐えながら繰り返し運動することは体に良くありません。適度な運動を心がけ、痛みが伴った場合は上記のように対処しましょう。
肩の治療については次回にします。お楽しみに!